めじめや

叶精作セレクション  



   作者 叶 精作

  出版社 リイド社

初版年月日 2021/04/27

 全作品数 9

該当作品数 8

  占有率 C

  満足度 A

 お薦め度 A




時は戦国時代、まだ鉄砲が諸国に広がる前の時代の話です。
そのころ海外との貿易が盛んに行われはじめ、一方で隣の国の明王朝が海禁制作により他国との貿易を禁止し、
密貿易商は武装化して海賊や水軍となり、互いの襲撃が常態化していた。
その海賊を「倭寇」と呼び、これはその倭寇の中でも異彩を放つ赤毛の女狙撃手「紅娘(ホンニャン)」を
擁する六峰党の物語です。


「紅娘の海 第一話」

大名の長宗我部は「日振島の善吉党」という海賊を長年
追っていたが、頭である善吉の顔を党内でも知られて
いないという特徴から捕まえる事ができなかった。
そこで六峰党に依頼すると、海賊間の取引で相手に
近づき、わざと交渉を決裂させて捕らえられ、紅娘は
身を挺して日振島の善吉党の頭に近づくのだった。
顔が知られていない頭である善吉に近づけたのは
彼が太魔羅でそこには・・・。




「紅娘の海 第二話」

紅娘の母「若狭」は異国の地で死んだ。紅娘は母の遺骨
を返すために種子島に赴いた。
そこではもう一つの目的である、母を鉄砲の仕組みを
知る為にポルトガル人に売った憎っき祖父である
八板金兵衛を殺す為。
だが種子島では紅娘が全く予想もしていなかった
ある事が!?




「紅娘の海 第三話」

六峰党は異国船で拷問を受ける女「加那」を助けた。
彼女は吐火羅列島の宝島からさらわれ、島の名前の由来
から財宝の隠し場所を吐かせようとしていたらしい。
その時近くの諏訪之瀬島が大噴火を起こし、急遽悪石島
に避難し上陸すると、いきなり謎の集団に襲われ紅娘と
加那が捕まってしまった。
加那は宝島ではなく悪石島からさらわれ、さらった海賊
が再び上陸してきたものだと勘違いされたのだ。
そして赤毛の紅娘は紅毛人(異国人)に間違われて拷問
を受ける。
実は紅毛人はこの島のある物を狙っており、またこの島の
住人にはある秘密があった。


第四話以降は下の関係図を参照しながら読み進めて下さい。
私も図にしてからでないと各話の紹介文が書けませんでした。






「紅娘の海 第四話」

六峰党は鉄砲やその技法を大隅国の武将である
根占重長に届ける事を種子島氏から密かに頼まれる。
根占氏と種子島氏は、根占氏が屋久島を占拠してから
対立関係にあるが、元々は両者とも平家一門の仲で、
根占の主君で大隅国の大名である肝付氏とは
将来共通の敵になると思われたからだ。
種子島氏の依頼を達成した六峰党は、今度は根占氏から
盟約の証として姫君を種子島氏に届ける事を頼まれた。
だがその道中大変な事に!





「紅娘の海 第五話」

ポルトガル人が竹島を襲撃したとの連絡を受けて
六峰党が島に上陸した。
だがそれは紅娘を捕獲するための罠だった。
彼らは西洋の甲冑を着ていたので刀や鉄砲では歯が
立たず紅娘一人を残して撤退を余儀なくされた。
捕らえられた紅娘は逆さ釣りにされ、ポルトガル船の
船長は褌の上から秘部を愛撫し・・・。





「紅娘の海 第六話」

紅娘達は種子島氏から島津家の島津忠将を暗殺する
ように頼まれた。
島津忠将が島津家の実権を握った折りには手に入れた
鉄砲でやがては今は配下の種子島氏も滅ぼされる恐れ
があるからだ。
その島津忠将が内密にさらに鉄砲を調達してきたのだから
島津家頭首に謀叛を起こす兆しと察した訳だ。
また紅娘には妙薬を用いて島津氏と肝付氏との対立を煽り
合戦に導くという役目も与えられた。




「紅娘の海 第七話」

島津忠将を暗殺するよう六峰党に頼んだ本当の依頼者は
忠将の兄で現島津家頭首の島津貴久なのだが、
その口封じと保身の為に六峰党を罠にかけて紅娘を
拉致した。
そして大隅国の武将である根占重長の狙撃を引き受け
るよう紅娘は拷問された。
だがその時、島津忠将・貴久の姉で大隅戸国の大名である
肝付氏の元正室・御南の方が拷問部屋に現れ紅娘を
助けた。
彼女は弟である島津貴久の子・島津義弘の養子先の、
豊州島津家の頭首・島津忠親を撃つ事を六峰党に依頼
してきたのだ。
豊州と薩摩に挟まれた大隅戸国の肝付にとって豊州の
頭首が亡くなれば肝付は安泰だと考えての事だった。






「紅娘の海 第八話」

肝付氏の元正室・御南の方が再び六峰党に依頼してきた。
今度は島津四兄弟である義久、義弘、歳久、家久が結束
して九州平定しそうなのを阻止する為、甥である弟の
島津貴久の子・島津義弘の野望を挫く事。
その為六峰党は日向国と薩摩の戦に日向国の山城の
領主に加担し、島津から先制攻撃をしかけさせた。
紅娘はわざと島津義久・義弘兄弟に捕まり、島津義久に
手込めにされながらも、大筒を味方の陣に撃たせて弾丸を
届けさせた。
(大筒の弾は只の鉄の玉なので溶かすと銃の弾になる)


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